源兵衛川

三島めぐり

静岡県三島市は、富士山からの伏流水が湧き出る、せせらぎの街です。
ウナギがおいしいのも、自然が美しいのも水がきれいなおかげです。
隣町にある日本三大清流の一つ、柿田川と合わせて、富士山の恵みを感じる散策へ出かけましょう。

東京駅から新幹線で55分、三島駅を出ると駅前から水の流れが出迎えてくれます。

三島駅前

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旅行記

1日目

楽寿園

楽寿館

駅から歩いてすぐのところにある楽寿園は、皇族の別邸として造られた緑豊かな公園です。

園内に入ると、駅前とは思えないほどの木々が森となっています。ところどころ見える岩には溶岩だという説明があり、富士山から三島まで溶岩がたどり着いたように、湧き水も富士山から旅してきたことに思いがはせられます。

森が開けると、そこには数年に一度だけ富士からの湧き水で満水となる小浜池があります。
池に面して宮様の別邸「楽寿館」があり、樹木や大小の灯篭で池の周りをぐるりと散策できる庭園が形作られています。

楽寿館は一日数回決まった時間にのみ見学できます。見学ツアーでは、館の歴史や帝室技芸員(今でいう人間国宝)が手掛けた数々の襖絵や天井絵、意匠や部屋のつくりなどについて係りの方に解説していただき、時代と文化を感じることができました。

また楽寿園は、地元の人たちが気軽に訪れる公園でもあります。庭園の散策の合間に一息ついたり、どうぶつ広場で動物たちを眺めたり触れ合ったりしてはいかがでしょうか。

ご当地のパンとして有名な「のっぽ」のキャラクターはキリンですが、昔ここにいたキリンの人気にあやかって採用されたそうです。今でこそゾウやキリンなど大型の動物はいませんが、市民に愛される場所であることは変わっていません。

アルパカ

アルパカにツバを飛ばされそうなくらい近くで目があったり、この近辺でヤンチャして新聞もにぎわせたニホンザルのらっきーの姿など、動物を身近に感じることができます。

源兵衛川

源兵衛川の遊歩道

楽寿園の南には、街中を流れる源兵衛川があります。夏にはホタルが舞うほどの流れですが、一時は排水などの問題で汚れが目立っていたのを、市民グループの活動で復活させたそうです。
昔は生活の場として使われていた川ですが、今では飛び石の遊歩道があって川の中を歩くことができます。川辺に咲く花や流れの涼しさを感じながら5分ほど歩くと市街地の方へ出ます。

三島のウナギ

ウナギ

三島市内には名の知れたウナギ屋さんがいくつもあります。
ウナギはこの三島の水で「磨かれ」、余分な脂が臭みと共に抜け、おいしくなるそうです。

三嶋大社

三嶋大社本殿

三嶋大社は伊豆一宮として、また初詣に夏祭り、七五三や結婚式と地域の人とともにある格式ある神社です。

春には参道の桜並木が咲き、秋には天然記念物のキンモクセイが花を咲かせます。

重要文化財に指定されている本殿は、さすがに重厚感があります。お賽銭箱から見上げる位置にある屋根の下にも見事な彫刻が施されています。

大社のシカ

三嶋大社には、大正時代に奈良の春日大社からやってきた鹿の子孫たちが暮らしています。
神鹿園を訪れると、ずらりと並んでエサを食べているシカの姿が目に入ります。多い時には二十頭近くにもなるシカたちが、首を伸ばしてエサに迫る姿は迫力すら感じます。
小さな子どもが思わずびっくりしてしまって、おそるおそる鹿せんべいをあげるくらいの勢いです。

神鹿園のシカ

※鹿のえさは近くの売店で販売しています。

囲いに角をこすりつけてアピールするシカや、お辞儀をするように頭を上げ下げしているシカ、満腹になったのか陽にあたって寝ているシカ、まわりの大人たちより小さな子鹿など、なかなか個性豊かな姿が見られます。

よく見れば、ウコッケイがずんずんと歩き回っていたり、ハトもうろうろしていたりと、人と動物が行きかう境内で最も生命力に満ちた場所の一つでしょう。

また、他にも三嶋大社に由来する宝物が展示されている宝物館や、樹齢1200年を超える天然記念物の金木犀など見どころは尽きません。

国宝の北条政子奉納国宝「梅蒔絵手箱」は、数年に一度の展示なので梅蒔絵手箱のページをご確認ください。また、金木犀の季節は9月から10月です。

文学の道と白滝公園

水辺の文学碑

三嶋大社の脇から三島駅へ向かう道に「文学の道」があります。
三島ゆかりの文学作品の一節が刻まれた石碑が点々と建てられている川沿いの道です。

川を泳いだり羽を休めるカモを眺めつつ、文学に思いをはせる10分ほどの道のりで駅方面、白滝公園へ到着します。

ここは富士山からの溶岩が見られ、その隙間から伏流水がわく小さな公園です。
公園の片隅には湧き水を汲んでくれる「めぐみの子」という二人一組のからくり人形があります。
二人の前に立つと、いっしょうけんめいにポンプを押して水を汲みだしてくれます。

左の子がポンプの持ち手にこつんと頭をぶつけながら汲んでくれるのがけなげで愛らしいです。

ぐるりと三島の街をめぐり歩いた一日目はここまでです。

2日目

柿田川

長良川、四万十川と並んで日本三大清流に数えられる柿田川は、東洋一の湧水ともいわれる富士山伏流水が一日120トンもこんこんと湧き出してできた川です。
車の行き交う国道一号線のすぐ脇に、水の湧き出し口の周りが公園として整備されています。

三島駅方面からはバスで15分程度で柿田川公園に到着です。なお公園があるのは三島市ではなく、隣の駿東郡清水町になります。

まずは公園の案内通りに展望台へと進みます。

柿田川公園第一展望台

第一展望台は川の起点近くで、砂が巻き上げられて水がわいている様子が見えます。
このあたりから湧き出る水で川の流れが生まれています。

第二展望台から見えるのは、湧き間と呼ばれる水の湧き出し口です。

柿田川公園第二展望台

井戸の跡で底から水がわいています。あまりの透明度の高さから底まで見通せて、深さがわからないほどです。
そして砂と井戸と光の不思議な関係なのか、青く美しい色を見せてくれます。

ちなみに、いくつか残る井戸の跡は、その昔に製紙工場があったときに使われていたものだそうです。

湧水の道

湧き間

展望台を後にして、夏には子供たちが遊ぶ湧水広場を抜けると、木製の橋が川沿いにかけられており散策することができます。
木々の間を抜け、いくつかの湧き間や川面を見ながら進むと、公園の裏手側に出ます。

ここには、駐車場があり、「湧水の道」として何軒かのお店があります。
そのうちの一軒「柿田川とうふ店」は、清流を生かして豆腐を作っているお店です。
ここで売られている「とうふソフトクリーム」は、豆腐がそのまま練り込まれていて、その割合は40%にもなるそうです。

とうふアイスクリーム

食べてみると、しっかりととうふの風味と柔らかな甘さを感じられます。

お店の隣には水汲みできるところがあるので、ペットボトルを用意すれば持ち帰ることもできます。

さて、東京からすぐ、水のせせらぎと清流を巡る旅はいかがだったでしょうか。
今回はぐるっと散策しましたが、季節によっても夏祭りや春の桜などご紹介しきれていないところはまだまだあります。
いろいろな表情を見せるこの街を、一度訪れてみませんか。

行程表


1日目
10:00 三島駅南口
↓  徒歩3分
10:03 楽寿園
↓   徒歩2分
11:35 源兵衛川
↓   徒歩3分
12:08 すみの坊 本町店
↓   徒歩7分
13:00 三嶋大社
↓   徒歩15分(三島 水辺の文学碑)
14:45 白滝公園
↓   徒歩7分
15:07 三島駅南口

2日目
9:05 三島駅南口
↓   バス18分と徒歩3分
9:21 柿田川公園

予算

楽寿園 ¥300
鹿せんべい ¥150
福太郎餅と緑茶のセット ¥200
三嶋大社宝物館 ¥500
すみの坊 本町店 ¥3,240
とうふアイスクリーム ¥250
●交通費
新幹線 東京-三島間 ¥4,520(往復¥9,040)


三島地図イラスト

取材日:2016年3月9日
※記載の情報は取材時のものです

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