舟戸の番屋 露天風呂

海風に時間を忘れ自分をほぐす旅

東伊豆には今井浜海岸という美しい海岸線がある。河津と稲取の間に位置するこの小さな海街に体験施設「舟戸の番屋」はある。この地ならではな非日常のユニークな体験は、日常を忘れさせてくれる。青い空と海に囲まれた絶景露天風呂から水平線を眺めていると、いろんなことがちっぽけに思えてくる。のんびり自分をほぐす旅に出かけよう。

続きを読む

旅行記

1日目

9:00 東京駅発

JR東海道本線 特急踊り子105号 伊豆急下田行き

11:31 河津駅着

河津桜の名所に海風を楽しむ

河津駅に降り立つと、潮の香りがした。駅からすぐそばに流れる河津川を越え、少し海に向かって歩くとLOKANTA Kitchen & Cafeへすぐに辿り着いた。道路からちょっと奥まった所にあるので注意が必要だ。地元の若者だけではなく、外国人観光客も立ち寄ることも多いという。気さくな女性オーナーが地元河津の魅力について親切に教えてくれるというのだから、さながら観光コンシェルジュの役割を果たしているのかもしれない。

LOKANTA KITCHIN内部

このお店では、オーナーが世界各国を旅した際に気に入った料理を提供しているのだという。今回目当てのランチは、ピリ辛ナシゴレン。スパイシーに炒められたライスには大きな目玉焼きがONされている。割ると流れ出る卵の黄身とスパイシーライスを一緒にほおばればピリ辛もまろやかな味に変身する。

ピリ辛ナシゴレン

店内だけでなく、カウンターテラスでのんびりと川面を見ながら食事することもできるので、おおよそ河津桜のシーズンには絶好の花見スポットであることは想像に難くない。

13:30

海辺の禅寺で波音に呼吸を合わせる

いったん駅に戻ってタクシーをつかまえると真乗寺へ向かった。臨済宗建長寺派の古刹であり、近年新調されたであろう門構えの脇には、永い歴史を持つ寺であると判別できる石碑や墓石の数々が並んでいた。
物静かな住職さんに誘われると、本堂にて座禅を組んだ。ひっそりとした境内に元気な鳥のさえずりが響いている。かすか遠くでは今井浜の波の音もする。それに合わせるようにゆったりと深い呼吸を重ねると、気持ちが真っ直ぐに整っていくようだった。

真乗寺

汐風の宿から今井浜海岸を眺める

真乗寺をあとにし、映画のワンシーンで見るような海沿いの海街を歩くこと7分。今日の宿泊先汐風の宿 海童はすぐそこだった。
今井浜海岸に面した小さな宿は、1日3組しか宿泊を受けないという。兼業漁師でもあり、夏場には海水浴客の対応もするそうで、「そんな中でもお泊まりいただくお客様にご満足していただくには、3組が限度なんです」と奥さんがにこやかに話す。料理人のご主人が腕を振るう心づくしの食事、人目を気にせずゆっくりと食事を楽しめる個室の食事処、お客様が3組しかいないから混雑することのない貸切風呂、自分の部屋のように寛げる客室。先代から受け継いだこの宿を、お客様のことをご夫婦で真摯に考え、共に作ってきたスタイルがこの宿のホスピタリティ全てに現れている。

海童

最近は世相を表しているのか、介護疲れを癒すために「何もしない」ことを目的にこの宿を訪れるリピーターも多いとか。そのため、「一人旅応援プラン」という宿泊料金の設定がある。毎年秋になると、月夜にキラキラと月光が海面を照らし、ムーンロードを形作る季節がやってくる。

海童から見る海

2日目

10:00

干物を自作するという非日常

宿から歩いて5分。せっかくなので伊豆ならではの体験をしてみたいと思い、事前に予約をしていた干物作りなるものを体験しに舟戸の番屋へ行った。スタッフの方が、温かい声とともに迎え入れてくれる。朝早くから準備を整えてくれていたようで、店内に入るとすでに体験のセットがなされていた。ひものを自分で作るという発想を持ち合わせていなかったので、どんなものなのか興味津々だった。

干物作り体験

いかにも張りのある、新鮮そうなアジを3尾渡され、1尾目はスタッフの方が説明とともに開き方の手ほどきをしてくれる。魚を下ろすことなど、日常にあるようでなかなか無い。「上手上手ぅ~!」などと誉められながらどうにか3尾の3枚下ろしを仕上げた。塩水に30分間漬けた後、天日干しまでしてくれる。帰るまでには出来上がらないので、送料はかかるが、自宅まで送ってもらうようお願いをした。
後日、自宅に届いたアジを朝食に焼いて食べてみたが、身がふっくらとして程よい塩加減。自作のアジの干物の味はまた格別だった。

いつまででも入っていたい露天風呂

舟戸の番屋には、もうひとつおススメポイントがある。それは露天風呂だ。施設の建物のそばから石段を少し昇った岩山の上にあった。
運がいいことに先客はなく貸切だ。海にせり出した格好のこの露天風呂には、目の前の視界を遮るものがない。遠く向こうの霞の中に大きな貨物船が通りすぎて行くのが見えた。湯温もちょうど良く、心地がいいからいつまででも入っていられる。

舟戸の番屋の露天風呂

風呂の湯は海へと流れ出るため、石鹸を使うような洗い場はない。降り注ぐ日差しと波音、温まった体をクールダウンする潮風、遠くまで見渡せる水平線。この景色を独り占めできる贅沢をしばらくの間味わった。この温泉と景色を300円で味わえるというのは実に良心的である。

旅の贅沢、伊勢海老ラーメン

風呂上りに牛乳とは定番かもしれないがここでは違う。風呂上りにはニューサマーオレンジをジュレにしたドリンクなのだ。売店で冷えたものを買い、勢い良く振ってから飲む。上品な甘さと滑らかさが風呂上りの喉を潤してくれる。
ふと時計に目をやればもう昼前。急に食欲が刺激されたようで、小腹が減ってきた。食事処に貼られたメニュー表の中に伊勢海老ラーメンを発見する。旅の贅沢だと思い切って注文をしてみた。しばらくすると、「お待ちどう様でした」という声と一緒に、食欲をそそる出汁と潮の香りをまとった伊勢海老ラーメンが運ばれてきた。少々小ぶりだが身がぎっしりと詰まっている伊勢海老の半身が神々しくどんぶり中央からその姿をのぞかせている。スープは塩ベース、自然な味わいと歯ごたえの良い麺がベストマッチだ。一気にスープまで飲み干すと気持ちもお腹も満足いっぱいになった。

舟戸の番屋の伊勢えびラーメン

旅の余韻をコーヒーとともに味わう

タクシーに乗って少し早めに河津駅へ到着。乗る列車の発車時刻まではまだ少し時間がある。駅前にカフェきりん館という喫茶店があった。ホッと一息休憩できるスポットを見つけたと迷わず入店した。地元の方と思われる数組のお客さんがいた。そのうちの一人が店員さんと楽しそうに話しこんでいるのを見ると、どうやら毎日のように通っている常連さんなのだろう。
水出しコーヒーとソフトクリームを注文。コーヒーは、時間をかけて抽出しているというだけあって、すっきりした味わいだ。コーヒーとソフトクリームの濃厚なバニラの甘みが、この2日間で様々な非日常を体験した体に染み渡っていくようだった。ひととき今回の旅を振り返りながら落ち着いた時間を過ごし、帰路につくために駅へと向かった。

きりん館のコーヒー&ミニソフトセット

行程表


1日目
9:00 東京駅発
↓ JR東海道本線 特急踊り子105号
11:31 河津駅着
↓ 徒歩9分(800m)
11:50 LOKANTA Kitchen & Cafe着
12:50 LOKANTA Kitchen & Cafe発
↓ タクシー
13:30 真乗寺着 座禅体験
14:20 真乗寺発
↓ 徒歩7分
14:30 汐風の宿 海童着

2日目
9:55 汐風の宿 海童発
10:00 舟戸の番屋着
13:00 舟戸の番屋発
↓ タクシー
13:10 カフェきりん館着
↓ 
14:25 河津駅発
↓ スーパービュー踊り子8号 東京行 指定席
16:49 東京駅着

予算

予算 1人 38,110円〜

ピリ辛ナシゴレン 1,080円
真乗寺 座禅体験 500円
汐風の宿 海童 お一人様応援プラン 1名様宿泊(平日)18,150円〜(税込)
舟戸の番屋 干物作り体験 1,500円(送料別)
舟戸の番屋 露天風呂入浴料 300円
舟戸の番屋 ニューサマーオレンジ ジュレ 270円
舟戸の番屋 伊勢海老ラーメン 1,500円
カフェきりん館 水出しコーヒー&ソフトクリーム 630円
●交通費
東京駅-河津駅 JR東海道本線 特急踊り子105号 6,190円
河津駅-真乗寺 タクシー 900円
舟戸の番屋-河津駅 タクシー 900円
河津駅-東京駅 6,190円


河津地図イラスト

取材日:2017年3月19日
※記載の情報は取材時のものです

FavoriteLoadingお気に入りに追加

コメントを残す